皮膚は体(内臓)の毒素(病原)を外に出すという(排毒)大切な働きをしています。例えば、同じ様に汗をかいた場合でも、汗に臭いがあったりべとついたりといった具合に、その時々で違いがあることは誰もが感じていることです。これは単に汗が体温調節だけのために出ているのではないことを意味しています。皮膚は呼吸しているので、絶えず汗や油、それ以上に目に見えない毒素を発散し続けているのです。
東洋医学では、「肺・大腸・皮膚」はどれも排泄機能を持つものと関係が深いとされています。例えば、便秘は肌荒れの原因とよく言われますが、これは便秘による毒素で大腸壁がただれて浸透しやすくなってしまっているため、本来大腸の働きで体外に排出されるべき毒を皮膚がかわりに出しているのです。また、アトピー性皮膚炎を薬で止めたら今度は喘息になったという例がありますが、これは皮膚が肺ともつながっていることを意味しています。その他にも、食べ物が原因で皮膚に影響を与えることもありますし、他から送られてきた毒素で皮膚がいっぱいになったときや、皮膚の表面が塞がれてしまったようなときは、毒素が出ていかないので皮膚病や皮膚炎が起こります。つまり、湿疹などの皮膚病や皮膚炎は、溜まった毒素を早くたくさん出すためにおこるのです。ですから、痒いときは掻いて出口を広げると毒素はよく出ていき、痒みもおさまります。
皮膚炎でも、中にはカビや細菌などの感染によるものもあります。誰でも皮膚の表面には無数のカビや細菌がついています。しかし、これが原因で誰もが皮膚炎にかかるというわけではありません。結果としては、むしろ私達の体の方が毒素を大量に出すために、これらを活用していると考えた方が正しいでしょう。無理に薬などでカビや細菌だけを殺しても毒素はそのままですから、皮膚に炎症の痕が残ったり、別の菌が侵入して再び皮膚炎が起きることもあります。
症状の出ているときは出てきた毒素が出口を塞がないように、患部をきれいに洗い流すなどしていつも毒素を出しやすくしておくことが大切です。汗などが染み出るときは頻繁に拭くか、毒素の出口を塞がない絹の布を包帯がわりにすると良いでしょう。
症状の激しいときは不安になりやすいものですが、毒素が出てしまえば皮膚に抵抗力がついてきますから、カビや細菌は繁殖できなくなり自然に皮膚の表面はきれいに治ります。
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