ある日、咳がひどく咳き込むと物を吐いてしまうという子供(5歳)の母親から電話があり、相談を受けました。その人は日頃から“頭寒足熱”を実行していて、できれば子供を半身浴させたいのだけれど、最近同居した夫の両親の理解が得られず、具合の悪いときにお風呂に入れようものなら大騒動になるため、どうしたらよいか悩んでいるという相談でした。お風呂に入れなくても“足湯”で入浴と同じ効果があることをアドバイスしましたが、その人は半信半疑の様子でゆたんぽを入れているから充分だと思ったようでした。 ところがその後すぐ子供が熱を出し、数日たっても下がらず、両親も夫までも医者に行くことを強く勧めるため、不本意ながら子供を受診させたそうです。診察の結果、肺炎をおこしており明日にでも入院させるようにと言われたのですが、子供は病院の薬を一切飲もうとしなかったため、逆に励まされその晩からゆたんぽの他に真綿布団もかけて休ませると、翌朝熱が少し下がり、徐々に快方に向かっていったそうです。結局は入院もせず、薬も使わないで治ってしまったということでした。 それから1カ月後、子供が再び激しい咳と嘔吐を繰り返し、このままでは先月同様、熱が出て肺炎になることを感じたその人は、今度は子供に“足湯”をさせました。すると、足湯中に子供は気持ちがいいと言って眠ってしまい、延々6時間くらいそのままでいたそうです。そして前の晩まで咳き込んで苦しがっていたことが嘘のように、その晩は朝までぐっすり眠ったということです。しかも、翌日は保育園に行き帰ってくるとまた子供が足湯をすると言うので、前と同じ時間していると今度は鼻水まで止まってしまいました。これには夫もびっくりしたそうです。その人は、もっと早く足湯をしていればこの前の時に子供に苦しい思いをさせないで済んだのにとしきりに反省していました。 足湯は誰でもどんな症状のときでも効果があります。回数や時間は、症状がひどければより多くすると良いでしょう。 方法は、ぬるめのお湯から始め、徐々に温度を上げていきます。それと同時に上半身は薄着にしておくことが大切です。お湯には杉っ子(入浴剤)を入れると排毒性・保温性が高まります。
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